痔の治療法

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保存的治療

生活療法

1.おしりは清潔に
排便後は洗浄しきれいにしておく。おしりを汚くしておくと細菌が繁殖し肛門に炎症を起こしやすくします。

2.腰や下肢を冷やさないように
冷えることによって肛門の血行が悪くなり、よくありません。

生活療法

3.毎日お風呂に入る
清潔になり体が温まることによって血行もよくなります。

4.排便習慣を身につける
毎朝短い時間で排便をすますように心がける。便秘、下痢をしないようにしましょう。
便秘していきんで出すと肛門に負担がかかりうっ血したり傷をつけることがあります。
下痢は肛門の炎症や細菌感染を起こしやすくします。

5.刺激物は控えめに
コショウやからし、アルコール類などは肛門管の粘膜を刺激します。
また、喫煙は肛門の血行を悪くしますので控えめに。

生活療法

6.長い時間同じ姿勢が続くとよくない
特に座った姿勢が長いと肛門を圧迫し血行を悪くしますのでときどき体操をし、血流を良くしましょう。

7.疲れるとよくない
肉体的にも精神的にも疲れたり体調を崩したりするとおしりの調子が悪くなります。
そのような時にはゆっくり入浴して体を休ませてください。

薬物療法

薬物療法 内服薬と肛門内に注入する坐剤があります。

内服薬は主に軟便にして痔核の腫脹を抑える目的で服用します。

坐剤は固形の坐薬と軟膏があります。いずれも痛みを抑える鎮痛薬・麻酔薬と炎症を抑えるステロイド薬・非ステロイド系抗炎症薬があります。

日帰り手術の症例

血栓性外痔核 外痔核 切除
肛門の出入り口にえんどう豆ぐらいの血栓(血のかたまり)ができて腫れた血栓性外痔核がこの治療の対象です。
急性期の腫脹で主に坐剤、内服治療で効果がない場合に行います。

内痔核 ゴム輪結紮療法
肛門の外に脱出するイボ痔に対してその内痔核を引っ張り上げ小さな輪ゴムで痔核の根部をくくる方法です。
大きく脱出するイボ痔には適応では無く示指頭大の脱出に対して用いる方法です。
1〜2週間で壊死してゴム輪と共に脱落し約1か月で治療してきます。

内痔核  ALTA (ジオン注射)療法
(2泊3日の入院加療をおすすめしていますが 軽度であれば日帰り 可)

用手還納法
脱出した痔核を肛門内に収める処置です。
脱出しっぱなしの状態が続くと脱出部位の腫脹が強くなり、痛み、出血等の症状が増してきます。急性期の状態に対して行う方法で根治治療までの一時抑えが目的です。ただし外痔核が同時に腫れている場合には挿入は困難でその押し込もうとする操作によりさらに腫脹をひどくすることがあります。

皮垂( Skin tag )切除

裂肛の繰り返しでできた 見張り疣 切除

肛門周囲膿瘍の切開排膿

皮下痔ろう(浅い痔ろう)切開開放術

症例の程度によっては入院治療が必要な場合がありますのでご相談ください。

外科的治療

麻酔の方法

麻酔の方法

当院ではサドルブロックという麻酔を行います。座った状態で背中を丸め、腰のあたりから細い針で麻酔薬を注射します。
座った姿勢の方が、必要以上に麻酔薬が広がらないため安全です。

少しチクッとしますが、ほとんどの方は強い痛みを感じることはありません。
1〜2分でおしりから足の指先にかけてポカポカと温かく感じたり、少しシビレたような感じがしてきます。

3分ほどでおしりの穴に力が入らなくなり、痛みを感じなくなります。
一般的には麻酔の持続時間は2〜3時間くらいです。

痔核結紮(けっさつ)切除法

痔核結紮(けっさつ)切除法
1.皮膚を切開する
  痔核結紮(けっさつ)切除法
2.痔核を剥離する
  痔核結紮(けっさつ)切除法
3.痔核の根元を糸で結ぶ
  痔核結紮(けっさつ)切除法
4.痔核を切除する

脱出・腫脹・疼痛・出血の起こる痔核を切除し、痔核根治の流入血管を結紮(糸でしばる)する手術です。
傷は溶ける糸で縫うので、抜糸はありません。

手術時間:10〜15分くらい
入院期間:7〜10日間
退院後は週1回の通院で、治りきるまでは約1ヶ月かかります。

ALTA療法(ジオン注)

「脱出を伴う内痔核」にジオン注を投与して痔に流れ込む血液の量を減らし、痔を硬くして粘膜に癒着・固定させる治療法です。

痔核を切り取る手術と違って、痔核の痛みを感じない部分に注射するので「傷口から出血する」「傷口が痛む」というようなことは無く、入院期間の短縮も期待できます。

ジオン注とは?

ジオン注の有効成分は硫酸アルミニウムカリウムとタンニン酸というものです。

硫酸アルミニウムカリウム・・・出血症状や脱出症状を改善する。
タンニン酸・・・硫酸アルミニウムカリウムの働きを調節する。

ジオン注はひとつの痔核に対して図のように4か所に分割して投与します。これは痔核に薬液を十分に浸透させるための方法で、四段階注射法といいます。

複数の痔核がある場合には、それぞれに投与します。投与後しばらく点滴を続け、麻酔の影響が無くなるまで安静にする必要があります。

ALTA療法(ジオン注)
   

投与後の早い時期に痔核へ流れ込む血液の量が減り、出血が止まります。

脱出の程度も軽くなります。

ALTA療法(ジオン注)
   

投与した部分が次第に小さくなり、引き伸ばされていた支持組織が元の位置に癒着・固定して、脱出が見られなくなります(1週間〜1か月)。

その後、出血が見られなくなり、脱出や肛門の周りの腫れが無くなります。

ALTA療法(ジオン注)
ALTA療法のメリット・デメリット
メリット デメリット
  • 切らない治療なので痛みと出血が少ない
  • 短期入院可(約3日間)
ALTA療法のメリット・デメリット
  • 【ごくまれに起こる症状】
  • 注射時の下腹部痛(一過性)
  • 一時的な血圧低下、吐き気
  • 肛門部の違和感(腫脹しはさまったような状態)、疼痛
  • 排便、排尿困難
  • 発熱(注射後2週間以内)
  • 切除術よりも再発が起こりやすい
  • ジオン注射成分(硫酸アルミニウムカリウム・タンニン酸)は非常に強力なため誤って正常組織に投与すると化膿や副作用を起こす危険性あり
    (熟練術者による手技が求められる)

PPH手術

PPH手術 痔核の脱出の原因のうち、肛門の支持する組織が滅弱してずれ落ちて起こるのであればその痔核を吊り上げてしまおうという方法です。

痔核と直腸粘膜を約2cm輪状に切除することで正常の位置に垂れ下がった粘膜と痔核を戻します。主に全周性の脱出に対して行われ外痔核の腫れには効果がありません。

切除術よりは術後の痛みが少ないのが特徴で、先進医療として認可されています。

PPH手術
術前
PPH手術
術後

裂肛根治・肛門狭窄形成術

慢性潰瘍化した裂肛部分を取り除き、正常のおしりの大きさに戻す手術です。

手術時間:10〜15分くらい
入院期間:7〜10日間

退院後は週1回の通院で、治りきるまでは約1ヶ月かかります。

痔ろう根治術(ろう管切開開放術・Seton(シートン)法・括約筋温存術)

肛門機能を温存し、腫脹の原因となっているろう管を切除する方法です。
傷は溶ける糸で縫うので、抜糸はありません。

手術時間:10〜20分くらい
入院期間:10〜20日間

退院後は週1回の通院で、治りきるまでは約1〜2ヶ月かかります。